第四章

藤井翔悟

マーケット感覚を身に着けよう


自分の市場価値を知る

問題です。
ある会社にAさんとBさん、二人の社員がいる。二人は同じ会社に努めていて、同じくらいの子供がいて、同じ年齢。二人はとても仲良し。しかし、Aさんは今の会社が潰れると人生も潰れる。一方でBさんは今の会社が潰れても全く問題ない。同じ年齢なのに、まったく違う結果の二人。それはなぜか?

Bさんには貯金があったから?

違う。
結論、”市場価値”の違いである。「会社ポジションを見て働くか、市場全体を見て働くか」の違いである。

どんな仕事に就いていたとしても、キャリアの形成で失敗したくないなら、自分の市場価値を理解することである。市場価値とは今の会社の中でのポジションではなく、市場全体から、世の中からみたあなたの価値である。会社に依存して生きていくか、そうでないかは市場価値で決まる。

会社はあなたに投資し、あなたの時間を買う。あなたは自分の労力を投資して給与をもらう。つまり取引である。給与は会社ごとに決まっているのではなく、市場の動向に左右される。これを理解するには自分を商品として捉える必要がある。この発想をもたないと、あなたは常に何かに依存しながら生きることになるし、この変化の早い世の中に淘汰される側になる。誰もあなたを救ってくれない。気づくのは早いほうがよい。

定年の65歳まで、あなたが受け取る給与の額は、市場価値を意識して働くかどうかで決まる。市場価値の高い人間には高い給与と自由な時間、何にも依存しなくて生きていける保証ができる。しかし、職場のポジションだけを意識して生きた人間には「依存と拘束」が待っている。一生、上司の顔色を見ながら働くのだ。

必要なのは自分の市場価値を高める方法を知ることだ。


あなたは不思議に思ったことはないだろうか?外資系の金融業界の人が20代で年収1000万稼ぐ一方、飲食業界や医療業界の人間は30代後半でも年収300万で働いている。両者の労働時間は同じくらい。しかし給与は3倍も違う。これはなぜか?

これを決めるのが粗利(あらり)である。
粗利という言葉を初めて聞くだろうか。実はあなたが受け取るであろう給与は粗利に依存する。それ以上でもそれ以下でもない。あなたが所属している業界の粗利が低ければあなたの給与は低い。粗利が高ければどんどん高給になる。粗利こそが給与の財源なのである。

つまり、その業界にいる人間は一人あたり、どれぐらいの生産性をもっているのか。これによって給与の期待値は決まるのである。GDPで考えるとわかりやすい。

図
図

医療業界、金融業界、不動産業界いろんな業界があるが産業別のGDPは最大何倍違うであろうか?なんと20倍以上である。この差は想像しているよりもめちゃくちゃ大きい。

仮に一番低い医療業界の生産性が年間1000万であれば不動産業界はその20倍の生産性を持つので2億円。これだけ違う。同じ時間を働いても20倍生み出す金額が違うのだ。これが付加価値である。粗利も同じだとすれば給与の源資になる金額も20倍違うことになる。だから20代で1000万もらえる人と30代後半でも年収300万の人が生まれるのである。同じ時間働いたとしても業界によって付加価値が違うのだ。

図
図

つまり、自分の仕事を選ぶ時に、業界選びを間違えると給与アップは絶望的になる。いくらあなたの専門性や人格的な才能を持っていたとしても給与は上がらない。個人の努力や才能では覆すことができないのである。

驚愕の事実は、日本の教育ではこれを教えない。だから個人のキャリアの形成が欧米諸国に比べて失敗する国なのである。同じ激務をしても金融業界のような給与の高い業界もあれば、医療業界のような低い業界もある。その理由は業界の粗利に依存するのである。

世の中は不条理である。才能がなくても安定して高い給与をもらい続ける人とそうでない人の差は業界選び、つまり粗利の高い産業に就職したかどうかで決まる。もちろん高給の業界は人気なので入るのが難しい。しかし、一度入ってしまえば、同じスキルであっても他の業界に比べれば遥かに高い給与をもらうことができる。業界選びで勝った人間である。

もう一つ。市場規模が拡大しているかどうかも重要である。市場規模が拡大している産業であれば特に何もしなくても売上が2倍3倍になったりする。逆に縮小している産業なら必死で働いても売上が半分になったりする。どんなカリスマ経営者でもぶっちゃけ市場の力の前では無力である。

まとめると、これからキャリアを形成したい20代は①粗利(生産性)が高い業界②市場規模が伸びている業界。を選ぶことである。反対に絶対にやっては駄目なのは、粗利が低く成長していない業界で働くことである。これは永遠に豊かになれない。衰退産業で働いてはいけない。

仕事の寿命

図

忘れてはいけない。仕事は消えるものだ。100年前には存在しなかったスマートフォンが誕生し、新たな産業を生み出した。パソコン向けユーザーに使われていた広告費は今ではスマホが3倍以上回る。AIの登場により税理士という仕事は消えつつある。銀行の窓口も不要。デパートのインフォメーションサービスもAIに変わる。本が売れない時代になりDVDをレンタルすることは無くなった。タクシーもUberというサービスで瀕死状態である(米国)。このように、仕事とは生まれて消えてを繰り返す。これが寿命である。

仕事の寿命の構造は雇用の数で決まる。その仕事に何人就業できるのかを示す。BCGマトリックスを参考に説明する。①金のなる木はニッチと呼ばれる状態。ブルーオーシャンで競合がいない。代替可能性も低い。②しかし儲かることがわかるとどんどん競合が参入し花形となる。③そうなると市場の相対的シェアが侵され問題児と言われる状態になる。問題児になると仕事は一気に汎用化されていく。誰にでも模倣できるレベルまで分解されシステム化される。企業としては属人化をなくしシステムや機会で代替する。こうしてニッチであった業界は誰にでもできる仕事となり、機会やシステムの占める割合が増える。④そうなると、今度は仕事が消える状態になる。企業にとって人件費が占める割合が大きいため機会やAIによって代替する方向になる。そしてその仕事は機会に奪われる。仕事そのものは存在するが、人が担当する部分がなくなる。こうして仕事はなくなるのだ。

あなたの場合はどうだろうか?

仕事の寿命という観点でみると自分という商品の賞味期限がリアルにわかるはずだ。問題児や負け犬の産業を選ぶと市場も成長していないし、成長する見込みが無いので、豊かになれない。

大企業の実態

余談だが、大企業や誰もが知っている商品を扱っている会社はどうだろうか?問題児に入っている可能性が高い。成長の見込みが少ないのだ。スマホも一気にシェアを広めた。昔は一部の人だけが持っていたが、今ではおじいちゃんも持っている、これ以上スマホユーザーを増やすのは難しい。つまり、産業が成長しない。企業も成長しない。

だから市場の成長率はめちゃくちゃ重要。イメージ的には、上りのエスカレーターを登るか、下りのエスカレーターを登るか、それくらいの違いがある。実際には、それ以上の違いがある。あなた個人の能力や才能に関係なく、いくら努力をしても仕事で良い成績を残せない。業績もあがらないし上司との関係も悪くなる。だから成長がない産業、成長しない企業は不健なのだ。

さらに企業が成長していないと、あなたが成果を出しても昇進できないし、昇給しない。なぜならすでに上のポジションが決まっているから。上がいるかぎりそのポジションが空かない限りそこにはたどりつけない。ポジションが空くには、①会社がもっと成長してリーダーがもっと上のポジションに行く②リーダーが大失態を犯して降格する、どちらかしかない。

成長していない企業ではリーダーのポジションが失態によってしか空かないので、ポストが競われて悪循環が始まる。偽りの人間関係や売上の詐称、派閥争いが起こる。よく見るドラマのように。誰かのポジションを突き落とさないとそのポストにつけない。

成長している企業は最高である。どんどん上のポストができて、成果をだせば昇進しやすいし売上が伸びているので経費削減よりも事業投資に目が向きやすい。だから社員の給与も上げる方向力が働く。ここだけの話、伸びている企業に入ればあなたの人生はバラ色になる。めちゃくちゃ良いのだ。①成長が早いので新しいスキルをどんどん身につけられる。企業と一緒に自分個人も大きく成長できる。②挑戦する社風があるので、エキサイティング。毎日が新しい刺激に満ち溢れる。③向上心の高いチームメイトを持つことが出いる。仕事の不平不満を言うこともなく、みんな次のステージや明るい将来の話をしている。

もしあなたの職場の人間関係が悪く、悪い人材が集まっているなら、それは業界や企業が成長していないことが問題である可能性が高い。そんな腐った環境に新しい人材がどんどん入ってくれば状況はさらに悪化する。離職者は絶えず組織に人は定着しない。派閥争いや責任のなすりつけ合いの文化が生まれる。

伸びる会社を見つける方法

図

まず絶対にやってはいけないのは、10年前と同じ商品やサービスを扱っている会社を選ぶこと。これだけ変化の激しい世の中でずっと同じものを扱っているということは、その業界が成熟し衰退している可能性が高い。会社の社風としても変化を生む出す環境や挑戦がないので社内政治がはびこっている可能性が高い。会社からみると商品が同じことは管理しやすくメリットなのだが、今からこの会社に入っても代替可能な人材として扱われやすい。先輩にも価値観を強要されるだろう。そんな会社に入っても自分の市場価値は高まることはない。

伸びる業界や会社を見つけるには、「複数のベンチャーが参入し、各社が成長している商品・サービスに注目する」ことである。ベンチャーの代表的な戦略は世の中の流れに乗って成長することである。ベンチャーは資本や社員数で大企業に勝てないので、市場の時流を味方にして成長していく。将来、みんなが知っている大企業の競合となる会社も伸びている市場から出てくるのである。

伸びている会社での経験は市場全体からみても価値のあるものである。市場価値の高いスキルを身に着けたことになるので、他の競合からもスカウトやヘッドハンティングがしばしば起こる。まさに市場価値が高い人材とはこのことである。ここで公開した情報は養成校や企業は隠したがる。なぜなら不都合な真実であり、会社でのポストを守る既得権益を守る人間が握っているからである。新人にこの知識を与えてしまうことで都合が悪くなると考えるのだろう。しかしそれは根本的な間違いである。

企業の経営者はいつでも転職できるような市場価値の高い人間がそれでも働きたいと思える職場環境や仕組みをつくるべきである。市場の原則にはカリスマ経営者でも勝てない。しかし、成長率の高い市場に参入し粗利の低い既存事業のあり方を変えることはできる。人材を会社にすがらせるのではなく、優秀な人材がずっと働きたいと思える給与、評価制度、企業文化を、時代の変化に対応し創造していくべきである。

大学生や20代でこれからキャリアを形成していく人は、どの業界でも粗利や市場の成長率を加味して人生設計に役立てて欲しい。経済面では特に重要である。しかし、注意していただきたいのが、粗利が低い=悪い仕事ではない。前述したとおり、市場や粗利に恵まれなくても商品やサービスを工夫し別の市場に参入することで、企業単体として豊かになるいくつも方法はある。創意工夫により高い粗利を確保できればその分多くの給与を社員に支払うことができる。

20代の生き方

藤井翔悟

僕は今年で30歳になるが、社会人1年目から自分に投資したことに、当時の自分に死ぬほど感謝している。なぜなら、男性は、平均して29歳で結婚。1年後に子供ができ、その1年後にマイホームを購入する。こうなってからでは自分に投資する時間を捻出するのが物理的に難しい。だから20代のうちは遊んでばかりではダメ。人生のうちで最も仕事に集中できるのが、20代なのだ。

そして、成功する少数に入りたいなら、周囲と違うことをしないといけない。自分の”市場価値”を高めること。市場価値の高いスキルを身につければ何に依存しなくても生きていける。

理学療法士として病院勤務3年、25歳で独立開業、登記3年で年商10億円の会社設立までを経験してきた僕からのアドバイスは、20代のうちから自分に投資し実力をつけること。20代のうちこそ勉強し、技術を身に着け、自分の市場価値を高める。職場選びをするときは、給与や休みの多さでは選んではいけない。

なんの変化もない一生安泰な職場を選ぶのでのはなく、「実力がつく場所」を選ぶこと。そして自分に何が向いているのか?自分の強みは?世間にはどんな仕事があるのか?などを学び自分が最も活躍でき、社会人として貢献できる職場を選ぶのがよい。

そうする事によってその後の人生の選択肢が増える。今は想像もつかないかもしれないが、きっとあなたも結婚して家庭を持つだろう。子供もできるだろう。今より何倍も拘束され、自分でコントロールできない要素が増える。自分で使える時間だってほとんどなくなる。

そんな状態で、会社依存状態では、ほぼ絶対に抜けられない。だから、20代はどこでも通用する付加価値を身につけるのだ。

だから断言する。あなたの人生は20代の過ごし方ですべて決まる。僕の周りの成功者はすべて20代があったから今があると言う。大器晩成ではなくロケットスタートで、一気に収入も時間も自由になるような人材に成長する。あなたはどんな20代を過ごすつもりだろうか?

死ぬ気でもがいた20代

藤井翔悟

人生において絶対に戻りたくない時期は22歳から25歳だ。この3年はまさに地獄だった。当時の僕は「他のスタッフとは同じになりたくない」。という信念の元、違う人生を模索していた。

あらゆる人脈を形成し(今はほとんど無い)、向いているかどうかわからない仕事・チャンスに全部頭を突っ込んだ。土日は必ずセミナーに参加して、スケジュールで空いている日は、無理やり開催しているセミナーを探した。結果なんて何もついてこない。ただもがくだけ。自分の現状と未来を変えるため、目の前の壁をひたすらよじ登る。それしかできなかった。

向上心が強かったので、職場の同期とは意見が合わなかった。友達と飲みに行くこともほとんどなかった。上司からは社風と違う働き方をしたので、しばしば注意された。だから職場の人間関係ははっきり言って悪かった。でも気にならなかった。ここにいて、悪習慣に染められる方が駄目だと考えていたからだ。だから学ぶこと、実践することを辞めなかった。

友人と副業をしていた。お金が欲しいとか、もっと稼げるとかではない。給与を与えられるのではなくて、自分の力で、どれだけお金を生むことができるか挑戦したかったのである。

親に自分のやっていることは理解してもらえなかった。関係もよくなかった。フラフラしているように見えたらしい。副業などせず、そのまま今の会社で定年まで働いて欲しかったのであろう。彼女もいたが遊ぶ時間も作らず、書籍を読み漁り、セミナーに行き、実践することを辞めなかった。毎日、朝はやくから深夜まで力の限り活動した。

正直キツかった。

でも、この3年があったから、今の仕事の底力ができた。そして仕事の基準ができた。朝早くから夜遅くまで、どれだけ疲れていて精神的に追い込まれていても、なんとかやりきった。それが僕の自信と「仕事の基準」になっている。

そして20代で身につけた働き方は30代40代になってもずっと残る。働き方の基準が低い40代は「できないヤツ」と影でレッテルを貼られるだろう。30代、40代では仕事で求められる結果は違うが、それは20代で身につけた基礎体力が勝負を決める。そもそも基礎を身に着けてないのに、高いスキルは身につけられない。

あなたに残された時間

そう考えると20代なんてあっという間に終わる。社会人一年目の22歳から8年しかない。就職するとき、エントリーシートを出しまくり、最初に「内定」をもらったのがいまの会社。こんなきっかけで入社して、毎日、クタクタになるまで働いて、家に帰るとベッドに倒れ込む暮らしの連続。でも、働かなければ生活できないから、と明日も会社に出かけていく。そんな成り行き任せ、流されるまま、みたいな毎日を無感動に続けていくのはもうやめにしたほうがいい。

あなたに残された時間は思っているよりもずっと少ない。結婚して家族ができて子供ができればほとんど身動きがとれなくなる。そして価値観や優先順位も変わる。僕も子供ができてから、今まで仕事しかなかった人生が一変した。早く家に帰り子供に会いたいのだ。子供と言えばスタバとかに行くと騒いでで「ウザい」ぐらいにしか考えたことはなかった。

藤井翔悟

でも今は僕の人生の第一優先になった。

意思決定のプロセスに必ず子供が入り、お金や時間の使い方も必ず子供のことを考慮する。昔は深夜一時までスタバで仕事をしてから帰宅していたが、今は6時までに帰宅する。子供と一緒に夕食を取り、風呂にはいる。9時には寝かしつける。気づけば自分もウトウトしている。今まで事業の成功が僕の人生だったけど、それよりも幸せになれるチャンスを神様が与えてくれたみたいだ。

自分だけの世界から一変した。子供の10年後、20年後の将来を考える。子供に誇れる仕事をして自慢の家庭を持てるようにしたい。

家庭を持つ前に

だから家族ができる前にキャリアの方向性を決めよう。貯金なんてしてくていい。「初任給から毎月、きちんと貯金をしています」なんて本気でいう人は、生涯、収入面で苦労する。自立もできない。いつも何かに依存して会社にすがる人生しか送れないと覚悟したほうがいい。

仮にも「自立した人生を手に入れる」ならば、若いうちから貯金なんかしている場合じゃない。20代は、自分を磨いて磨いて、磨き上げることに全力投球する時期だ。手元にあるお金は、残らず自己投資、自分磨きに回そう。20代でどれだけ自分に投資できたかで、30代、40代のあり方は決まる。

20代でキャリアを築いてから、結婚して子供を生む。そうでないと、あなたは家族を守れない。夫婦の関係、子供との関係にも支障をきたす。ある調査では、家庭問題は経済面が解決すると9割なくなるという。

家族がいると自分のために時間を使えない。土日祝はなくなるし、家族はあなたの帰りを待っている。学習する時間がとれないのは当然だろう。つまりどう考えても20代はあなたのキャリア形成に重要な期間でることはわかるだろう。たくさん学習して一気に成長。そんなことができるのは今だけ。

自分のやりたいことが見つかってから頑張ろうなんて思っていたら、あとで取り返しのつかないことになっている。家庭ができたときにはある程度の余裕があって、キャリアが築けていたほうが将来も明るいと思わないか?

お金について

ここまで経済的な話が多かった。キャリアの形成に生かして欲しいが勘違いしてはいけない。お金で幸せにはなれない。もしお金が人生の第一優先になっているなら、その人生は大切なものを見失っている。

これは僕の経験がだが、お金のためにウチに入社してきた人は、ろくな人がいなかった。常に損得感情で行動を決定し、物事のプロセスを無視して成果だけを出そうとする。つまり地道な努力や積み重ねを嫌い、人間関係の形成も打算的になる。自分にとって得か損かだけが全てなのである。問題児が多かった。

確かにお金は無いよりあったほうがよい。僕もお金を稼ぐために仕事に取り組んだ時期もある。年収1,000万までは物質的に豊かになる。でもそこから先は物質的な欲求はなくなる。以前はありがたみのあったものも、いつでも簡単に手に入るので、興味が薄らぐ。なんのために働いているのか見失う。

そしてお金は中毒性がある。使えば使うほど、もっと使いたくなるのだ(アルコール依存と同じ)そうなればお金を稼ぎ、使うことだけの人生になる。中毒に上限はない。

そして、お金があっても辛い人生を送っている人はたくさんいる。派手な服を着て、海外旅行に行きまくり、キャバクラで豪遊。どんどんエゴは強くなり、他人を馬鹿にする。気づけば家庭をかえりみず、妻子とは信頼関係がない。強欲に歯止めが効かなくなり、誰も手に負えない。お金を手にしてから人生が狂ったのだ。正しい使い方を知らないと恐ろしい。

お金よりも自己成長したいだとか、チームに貢献したいとかで、他人に一生懸命になれる人のほうが結果として収入面でも結果を出している気がする。

僕の場合は、お金を手にしても寂しさしか残らなかった。目標の売上を達成しても世の中はちっとも変わらないし、こんな瞬間のために仕事をしているのではない。お金はただの紙切れである。「どんな使い方をしたか」が、価値を生み出すのである。他人に貢献できて、自分も満たされ、世の中の不条理を正すものに使う。その使ったお金でビジョンを実現するのだ。

人生のミッションを決める

だから自分の使命だとか死ぬまでにやりたいことを考えないといけない。ただお金になるからだけで仕事を選んではいけない。20代のうちに見つけた強みを活かして、収入面でも豊かになり、世の中に貢献できる仕事をするべきである。

20代で努力をすれば個人として自立できる。それができれば家族や身近な人を幸せにしよう。次は一緒に働いている人やお客さんに、仕事に誇りを持ってもらうように働きかけよう。最後は日本に貢献できる人材になるべきだ。

個人の能力が不十分であるのに、他人に貢献することはできない。それどころか迷惑なケースもある。だから20代は個人として成功しないといけない。能力が上がるに連れてどんどん影響を与えられる範囲が増える。ならば最後は国に貢献できる影響を与えることだ。これが最高の人生である。

個人の成長が家族の幸せとなり、事業のためになり、国に貢献できる。この軸を人生で実現することである。これがキャリアを形成していく人材に求められる生き方なのだ。この軸以外に職業人としての成功はない。

成長に終わりはない。他人に貢献できるように挑戦することは苦労も増えるが、結果として自分の人生を豊かにする。自分の生きた証を残し、後世に偉大な遺産を残すのだ。

もしよかったらうちの会社でバイトしに来ないか?「合う」「合わない」の価値観を大事にするので、採用率は現状10%もないが、興味があればこちらを見て欲しい。
QRコード

他の記事